さて前回の続きを投稿しよう。
前回のテーマは、『恋愛における沈黙』だった。
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前回の記事では、黙った方が自分の意思が相手に伝わることがあるよ、というお話をしたのだ。
今回の記事ではより踏み込んで、恋愛時の人が「なぜ黙るのか?」という話をしていこうと思う。
これまで、大好きな人とせっかくデートまでこぎつけたにも関わらず、何を喋って良いか分からず当たり障りのない会話を繰り広げまくってきた人にとっては超朗報である。
結論からいえば「黙っていい」し、もっとうまく自分の気持ちを表現したい場合は、これからお話する仕組みをよく理解してもう一度その当時のことを思い出してみてほしい。
そうすれば次回は絶対うまくいくだろう。
■あなたの心は階段になっている
人と対話をしている時に出る沈黙とは、いったいどのような意味があるのだろうか?
この沈黙の正体とは、あなたの「本能」を隠しているのだ。
人格の構造は、「自我」「超自我」「エス」と呼ばれる3つの心的装置によって成り立っているとしたのは、かの精神分析の祖であるフロイトである。
【自我】
自我とは、言ってみれば「心」のことだ。
自分でコントロールできるものもあればできないものもある。
つまりあなたのパーソナルな部分のことと解釈してほしい。
【超自我】
超自我とは、つまり倫理観や道徳心などが含まれる。
あなたが感じる「?してはいけない」という感情は超自我が起点となり、自我が調整しているとされている。
【エス】
エスとは、欲求の源泉である。
この欲求のまま外に出すと自我によって拒否されるような概念や記憶に該当される。
つまり「無意識の内容」のことを指す。
あなたの人格の構造は、フロイト大先生にかかるとこのような3つの心的装置に分類されるとされている。
特にこの「エス」については、この度の投稿においてとっても重要だからここから補足して説明しよう。
まず、「欲求のまま外に出すと自我に拒否される」というのはどういうことか?
例えばあなたの中で、『この子とセックスしたいなあ』という本能が欲求として出てきたとする。
それをそのまま行動で示す、または『セックスしよ』と短絡的に言ってしまう、というのはいくらなんでも突然すぎるだろう。
仲良しだったとしても冗談ではすまされないし、見ず知らずの人に対してだったとしたら、刑事事件に発展してしまうだろう。
このように人の心というのはある種「段階的」になっていて、人が起こしがちな「やっちまった?」を回避するような心的システムが構築されているのである。
■沈黙は言葉にならない「本能」を隠す
そこで本日の投稿の趣旨である「沈黙」について考えてみよう。
恋愛における沈黙とは、本当に伝えたい、言葉になっていないエス、いわゆる「本能」を隠しているのである。
先ほども説明したように、心には階段がある。
いきなり自分の欲求どおりに物事を推し進めることが、できないようになっているのだ。
だから色々なものを隠すように、沈黙が生まれるのである。
これが恋愛における沈黙のメカニズムである。
もちろん対人関係、初対面の人やちょっと強面の上司とかそういう人らにも該当する。
だから沈黙はあなたのことを守ろうとする、「抵抗」であるとも言えるのだ。
■どうしてもうまく喋りたい場合は
もちろんコミュニケーションというのは、恋愛において波動を合わせるツールであるので、スムーズであればあるほど望ましい。
仲良くなるのに会話がはずむにこしたことはないのだ。
よく沈黙をしてしまうという人は、これまで説明した仕組みをよく理解した上で、下記を読み進めてみてほしい。
まず、ここ最近投稿したブログの内容の中に『人は「想像力」によって動かされている』という記事があったと思う。
簡潔に説明すると、人は自分が叶えたい願望を明確にイメージできていない、という内容だった。
つまり『こうなればいいなあ』と心で思っていても、それを詳細にイメージするにいたっていないのだ。
恋愛で起こる沈黙もそれと同じ原理だと言えることができる。
つまり、沈黙とは「言語化されていない」ということと同じである。
自分の欲求をどのように言葉にして良いかが、まだはっきりとイメージできていないのだ。
だから上手に相手と会話がしたい場合、一人でいる時にイメージした相手と会話を繰り広げまくってみてほしい。
別に本当の相手に伝えるわけではないから、とっても気が楽だろう。
伝わる伝わらない関係なく、欲求から立ち上がる言葉が、自我の調整を経て自然に出てくるようになったら、あなたはごく自然に相手と会話が楽しめるようになっているだろう。
『東京ラブストーリー』というドラマで、登場人物の赤名リカが、『セックスしよ』という有名なセリフを口にするが、あれは何も自我や超自我がぶっ壊れている(そうも見えるが)ということではなく、全てを腑に落とした上での決意の告白だった、と見るのが正しいのではないか。
このように人に伝える言葉とは、普段何気なく使っているが、口に出すまでにはいくつものプロセスを踏んでいる、ということを理解しておいくと良いだろう。
■おわりに
「緊張して黙ってしまう」
こんな時は遠慮せず黙ってもらって構わない。
むしろ昨日の記事を参考にしていただければ、黙ることの効果が高いことが分かるだろう。
だから沈黙をわざと作り出して、相手の話に乗っかることも必要なのだ。
『自分がなんとかしなくちゃ』なんて思わなくて結構だ。
少しずつ関係を構築していく段階で、どんな人でも自我が緩み、素直に欲求を出せるようになるのだから。
ただ、焦って自分を責めてしまいそうになったら、本日の投稿を思い出してみてほしい。