「セックスレス」に関する記事の後半戦だ。
夫婦・カップルそれぞれが揃って忙しく、中々根本解決が難しいこの悩みは、現代の社会の歪みが生み出したものなのかもしれない。
セックスレスは、「通じ合えない」悲しみの最も大きなものなのではないだろうか。
誰だって通じ得ないもどかしさはストレスになる。
それが生存本能に直結した「性行為」であるなら、なおさら分かり合えない、通じ合えないと大きなストレスになるはずだ。
それでは前置きはこのぐらいにして、気功を利用した「セックスレス解消法」の解説をしていこう。
■二人だけの情報に溢れた空間を作る
思い出してみてほしい。
二人が付き合いを始めて間もない頃は、なぜあんなにもラブラブな状態だったのだろうと。
どう思い出してみても、どう努力しても中々あの状態に戻すことは難しいものだ。
なぜ、付き合いたてのカップルがあんなにもラブラブな状態を作り出せるのか。
それは、「恋」とか「愛」とか、そういう情報しか二人の空間に存在しないからだ。
二人がどんな空間を共にしても恋愛の情報しかないのであれば、すぐにラブラブな状態に到達することができる。
しかし付き合いが長くなると、大体の人は二人の空間に余計な情報を持ち込んでしまう。
そうすると前回の投稿でもお話ししたように、二人の空間がとっちらかってしまうわけだ。
家族や親類のこと、友人のこと、仕事のこと、職場での人間関係、お金のこと。
例えば結婚している夫婦であれば、それはもう実に様々な感情が一つの空間に凝縮される。
目には見えないけれど、二人がいるこの空間には、
『家族や親類のこと、友人のこと、仕事のこと、職場での人間関係、お金のこと』
こういう問題が積もり積もっているのだ。
思い出しただけでセックスどころではなくなるのではないだろうか。
だから女性誌などのセックスレスの特集などを見ると、「旅先でセックスする」とか、「セックスする場所を変える」ことをお勧めしている。
まあ、目の付け所は間違いではない。
しかし彼らの言い分を聞いてみると、セックスレスな状態は二人の関係が慣れてしまったからだと言っている。
これは大きな間違である。
つまりは空間なのだ。
「自宅」という空間にはセックスどころではない情報がパンパンに詰まっていて、少しでも「エロ」を感じることが難しくなっているわけだ。
■人間的な思考とセックスの衝動は脳の使い方が異なる
「エロ」とは動物的な衝動である。
性行動を司る脳の部位は、動物の持つ中で最も古い脳として知られ、「脳幹」と呼ばれている。
この脳幹は、私たちの生存本能をコントロールする部分であるのだ。
つまり性衝動というのは、体が反射的に反応してしまうような「生きることに直結した脳の使い方」をすることで起こるのである。
しかし、一方自宅に溜めに溜め続けた日常の悩みというのは、人間の社会が作り出したものだ。
だから考えたり悩んだりという作業は、人間だけが持つ大分新しい脳で考えられる。
ざっくり説明すれば「大脳新皮質」というものがこれに当たる。
つまり、脳の使い方が人間的な思考とセックスでは全く異なるので、自宅にたくさんの情報を溜め込んでいればいるほど、「エロ」が考えられないような構造になってしまっているというわけだ。
■自宅空間をどうすれば良いのか?
そうはいっても、自宅に人間社会のゴタゴタを持ち込まないなんていうのは土台無理な話だ。
家庭を築くというのは、言ってみればそういうものだからだ。
全てがエロで構築された空間なんていうのは、家庭なんかじゃなく「風俗店」みたいなもんだろう。
ちなみに風俗店では、なぜ速攻でセックスするにいたるかというと、風俗店の空間そのものが「エロ」な情報しか置いていないからだ。
例えばそこに子供の情報を置いてみれば、一瞬にして空間にいる全員が萎えちゃうはずなのだ。
話が横道に逸れたが、結論としては自宅の空間を「整理すること」をお勧めする。
例えばパートーナー同士に理解があって、ちょっとチャレンジしてみようかと、こういうムードが残っているのであれば、二人が安心できる空間にするべきなのだ。
どちらかではなく二人だ。
野生の動物も安心できる空間かを判断して交尾を行う。
少しでも判断が必要な場所では危険があるかもしれないから絶対にセックスなどできないのだ。
だから『なんでセックスできないんだろう』と悩み疲れるのではなく、『空間にある情報は安心できるものかな?』と考えるようシフトしてみると良いかもしれない。
ただそうは言っても、どれが安心できる情報でどれが安心できない情報なのかを判別すること自体が難しく感じる人もいるだろう。
そういう場合は、物理的にできるトレーニングをおすすめしよう。
部屋にあるものを断捨離してみるのだ。
物質というのも情報だから、多ければ多いほど頭を使って考えるタネになってしまう。
だからそういうものを整理して、人間的な脳、すなわち大脳新皮質での処理をできる限り少なくすることで、動物的な本能的な脳の使い方ができるようになり、セックスレスが解決していくという方法なのだ。
つまり、セックスをするのであれば「動物的な脳の使い方をしなくてはならない」ことを心がけるべきなのだ。
ここでお話した内容で全てを解決できるほど甘くはない問題かもしれない。
しかし、この記事で伝えたかったものは、空間には見えていないだけで「気」すなわち情報が漂っていることだ。
こういう「見えないもの」を「見える」ように少し意識してみると、今二人の間にある空間に『無くても良い情報って結構あるのかもしれない』と思えるようになるだろう。
セックスレスの問題は確かに複雑だが、セックスという直接的な解決ばかりを目指すのではなく、まずはその仕組みから理解してみるべきだ
私は現代の仙人として、捨てる生活をお勧めする。