テーマは「苦しみの抜け出し方」についてお話していこうと思う。
ここ最近、人間が持つ「損失回避」についてお話していると思う。
誰だって「損」なんてしたくないわけだ。
私たちは「財布落っことした」とか「自分のプリン食べられた」とか、そういう「損」ですら過剰に反応してしまう。
野生動物にとって最大の損とは「死ぬこと」であるから、そこから進化した人間にとっても損は大変回避したいものであるのだ。
このブログは「願望を実現すること」を目的に書いている。
願望を達成するまでには本当に色々な至難が待っている。
だから上手くいかない理由を事前に知っておくことで、転ばぬ先の杖よろしく、願望を最速で達成させようとしているのだ。
最近、仙人生活をする私のもとへ幼馴染が訪ねてきた。
彼は、もともと聡明で、明るく要領がよくこれまでの人生も上手く立ち回ってきた。
彼の口癖は「合理的」だった。
どこまでも無駄を省きながら、損をこうむらないように生きてきたと言える。
だいぶ久しぶりに会う彼は、さぞかし成功でもしてるのではないかとこちらも楽しみにしていたのだが、様子は違っていた。
現状はというと、仕事を辞めずっと定職につかず、カード会社のキャッシングやサラ金などに手を出し、今や500万円以上の借金を作ってしまったということだ。
健康的だった体も、もはや後戻りできない形で肥え、あちこちにガタがきているという。
彼はただただ「つらい」と言った。
なぜあれだけ合理的に物事をすすめていた彼が、このような事態になってしまったかというと、実はこの「合理的」に答えが隠されている。
■合理的な行動=経験済の行動
合理的に人生をおしすすめてきた彼は、それだけ「頭が切れる奴」だった。
合理的に物事を進められるということは、先を見据え、予定を組み立てていくことに他ならない。
彼はそれだけ頭がいい人だったので、「なりたい自分像」を持っていた。
つまり世界的に成功している自分である。
サラリーマンになって定給を得ることができた、しかし本当の自分はサラリーマンなんかじゃ終われない。
そうして彼は、サラリーマンという職業を飛び出して、いばらの道を進むことを選んだのだ。
しかし、自分で道を切り開いていく世界とは、合理的とは全く別の世界の話なのだ。
なぜなら、合理的に先を読める世界とは、すでに「経験したこと」の上に立っている。
これまでずーっと自分の経験の中でしか物事を測ってこなかった彼は、合理的な世界を捨てた瞬間「詰んで」しまったのだ。
周りを見渡してもどこにも合理的な経験がない。
自分で全てを作って行かねばならない。
そうなった時に彼のこれまでは無残にも音を立ててぶっ壊れてしまったのだ。
■頭がいい人は現状から出たがらない
彼の話は人ごとではない。
なぜなら、頭がいい人は彼のように「現状から出たがらない」傾向にあるからだ。
頭がいいということは、一つの対象を捉えた時に、様々なものの見方ができるということだ。
例えば「東京駅」までの行き方と考えた時に、一つの方法だけでなくありとあらゆる可能性を考慮に入れられるのである。
しかしそれだけ頭が回転すると、損失回避の傾向もかなり大きなものになる。
つまり、『それだったらやっても意味ないよ』『そんなこと無駄無駄』という具合に、自分のモノサシで物事を測り、損失を胃回避しようとする。
そうすると、結果的に何をするにも楽しくなくなってしまう。
なぜか?
自分の周りに「経験済の行動」しかなくなってくるからだ。
人は年を重ねるごとに、合理的になっていく。
これは人が年を重ねるごとに「頭がよくなっていくから」だと考えられる。
ただその過程で「何もかもつまらなくなった」という人はかなりの数いるす、そのような悩みを抱えて訪ねてくる人も後を絶たない。
実はあなたが求める「人生の楽しさ」とは、合理的の外側にあるのだ。
つまり、ハプニングである。
もちろん「安定がいいわ」という人もいるかもしれない。
そのような人は合理的な行動を取られれば、そのまま安定に繋がっていく。
だからまだ「安定していない」と考える人は、日常生活の合理化を目指してほしい。
そうではなく、日常生活に子どもの時体感したような「楽しさ」を感じたい場合は、自分自身の予想を裏切らなくてはならない。
そうして現状から抜け出すことが、結果的にあなたの経験を豊かなものにし、より強固な安定を生み出すことにも繋がるのだ。